産官学連携×地域×IPH工法による補強

土木遺産を次の世代へ

壊さない、安全な工法

インフラの予防保全を実現

IPH工法 = Inside Pressure Hardening/樹脂注入による内圧充填接合補強

コンクリート内部に存在する空気と注入樹脂を置換し、穿孔した穴の内部から放射状に樹脂を拡散することにより、末端の微細クラックまで充填。

鉄筋とコンクリートの付着強度を高めるだけでなく、高い防錆効果も得られ、経年劣化や地震等の災害で傷んだコンクリート構造体内部の耐力回復を実現(工法特許取得)

橋梁、高架等のインフラを「解体せず」「供用を妨げず」「低騒音・無振動・無粉塵」で安全に補修することが可能です。

当協会では、国土強靭化、インフラの予防保全に取り組む全国の建設コンサルタント会社や地方自治体、研究機関、総合建設会社、専門工事会社等への工法の普及を強化しています。詳しくはお問い合わせくださいませ。

地域の方と取り組んだ大宮橋再生の軌跡

 

愛媛県西条市の土木遺産「大宮橋」(土木学会選奨、2005年指定)は1927年(昭和2年)に完成しました。
90年近い時を経て、橋としての寿命を迎えつつありました。

危険な橋(健全度判定区分「Ⅲ」、内部空洞、漏水あり)とされた大宮橋の補修工事で採用されたのが本工法です。

「架け替え」も検討されましたが、以下の課題がありました。

・既存橋撤去及び新設橋台施工時は1年近く通行止めになる
・施工地が急峻地にあり、重機及び表面被覆のための資材搬入が困難

また、損傷個所をハツリ(損傷個所を取り除く施工)、修復する工法も検討されましたが、橋梁そのものが圧壊する可能性もあり

・橋梁の通行止めを最小にでき、工期も短縮できる
・注入器と樹脂しか使わないため輸送性に優れる
・経済性と安全性

の観点から当工法が採用されました。

コンクリート内部の空洞部分を樹脂で補強したことで、もともとの構造物を解体せずに強度回復工事が完了したほか、「架け替え」よりも短い工期で周辺環境にも配慮し、行政、大学の皆様の協力のもと、施工を進めることが出来ました。

愛媛大学の超音波調査により、構造物の耐力が回復していることを確認済です。
また、新しい橋の色は地元の方のアンケートで決定しました。

西条市の取り組みは公益社団法人土木学会インフラメンテナンスチャレンジ賞を受賞しています。

 

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